「小癪な……魂を砕かれてしまいなさいぃぃ!」
ハーツが光と熱を発した直後、更に追い討ちをかけるように『魂砕断』を同時に複数発動させる!
「昔より力と殺意に満ちているな……動きを止めてやる!」
私は、魂砕断を防ぎながら奴に向かって『不動』を発動させた!捕らえれば奴はもう動けない!だが!
「甘いですねぇぇぇ!動きを止めるならこうしないと!」
ハーツは不動を軽く避けた後に、リバレスに向かって『拘束』の神術を数百発動させた!『拘束』は『不動』より力は弱いが……数百の『拘束』は避けきれない!
「リバレス!」
「リバレスさんっ!」
私とシェルフィアが同時にリバレスを助けようとする!
「あんまりわたしを……甘くみないでよねっ!私の最大神術……『重圧環』!」
重圧環!?それは究極神術に属する神術……破壊力は無いが……この環の中にあるもの全てに十倍もの重力が加算されるのだ!
「ぐぅぅぅっ!体が重いぃぃ!」
ハーツの動きは緩慢になり……『拘束』の神術まで重力に負け消失する!
「シェルフィア!今よ!」
リバレスが大声で叫ぶ!リバレスとシェルフィアは、70日間のトレーニングの中で多く連携攻撃を覚えていた!
「わかりました!行きますよ!」
二人が何をするのかはわからない。だが私は、いつでも動ける準備だけはしておく!
「究極神術『不動』!」
シェルフィアが叫んだ!そうか、重圧で動きを鈍らせて『不動』で動きを止めるのか!
「うがぁぁ!」
ハーツはその場で固まって倒れる!今が好機!
「ルナー!後はお願い!」
リバレスが『重圧環』を解除し、動けないハーツを指差した!
「しばらく眠っているんだな!」
私はそう言って、ハーツを雷の渦に飲み込ませた!
「私は、神官ハーツ様だぁぁ!」
とっくに意識を失ってもいいはずなのに、ハーツは叫び続ける!
「ハーツ!負けを認めるんだ!そうでなければ死ぬぞ!私はお前を殺したくない!」
私は電撃を続けながらハーツに叫ぶ!もう聞こえていないかもしれないが……
「私は、誰にも負けはしなぁぁいぃぃ!」