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「……お前も私と共に戦ってくれるんだな!ありがとう!」

 私は神剣ルナリートを手にした。途方も無い力が剣を持つ手に溢れる!今ならどんな武器にも負けないだろう!そんな事を考えていたその時!

「ルナさん、空に不気味な月が!」

 私達は一斉に空を見上げた。すると……まるで鮮血を思わせるような満月が浮かんでいた!今日は『レッドムーン』の日!?約100年周期で訪れるその日は昔から不吉とされる。まさか、天界でもう一度この月を拝む事になろうとは……

「シェルフィアー、あの月は大丈夫よー!何の害も無いわー」

 そこでリバレスがシェルフィアを安心させる為に答える。確かにその通りだ。

 私達は、紅い月を背に『封印の間』の扉を開けた!『封印の間』は全てがオリハルコンで作られ、外観は小さな塔だが内部は空間そのものが湾曲しており無限の広さを持つ……これは、私のエファロードとしての記憶が知っている事だ。

「ルナー!危ない!」

 私が先頭で『間』に入った瞬間、リバレスが叫んだ!私は咄嗟に体を光膜で覆う!

「ガキィィ……ン!」

 神術で出来た巨大な槍が光膜に直撃する!だが、槍は力負けし消え去った!

 

「くくく……ついにこの日が来ましたねぇ!私の人生を砕いた愚者に対し、破滅をもたらす時がぁぁ!」

 

 この男!私はよく知っている。かつて、天界を誤った方向に導いていた神官……ハーツ!

「元神官ハーツ……私はお前に用は無い。ここを通してくれないか?」

 今の私の力は天界でハーツと戦った時とは比べ物にならない。この神官と戦っても勝負は見えている。私は早く神の下へ行かなければならないのだ!

「私は神官ハーツ様だぁぁ!逆らう者は魂を砕かれるがいぃぃ!」

 彼に私の話は聞こえていない。どうやら、精神の一部が破綻しているようだ……哀れな天使……

「リバレス!シェルフィア!奴の神術は強力だ!だが、油断せずに、『拘束』と『魂砕断』さえ気をつければ大丈夫だ!」

 私の叫びと共に、私達3人はハーツを取り囲むように三角形を作る!

「全て消えるがいぃぃ!」

 ハーツが絶叫する!その瞬間にハーツの体から光と熱が放射された!だが私達は、神術や氷でそれを防ぐ!

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