「リバレスさん!行かないで!」
シェルフィアが叫ぶ!突然の別れの話に取り乱す……
「私が……あの椅子に座ればお前は救われるんだろ?」
私はそう言って、椅子に向かおうとする。だが!?
「絶対にダメ!あれに座ったら、ルナはこの場所で一生一人ぼっち……そんな事はわたしが許さない!」
リバレスはそう言って、滅炎で椅子を焼き払った。何という事を!
「リバレス、お前は……最高のパートナーなんだ。行くなよ!」
私は、ここで涙を堪えきれなくなった。こいつが生まれた時から一緒なんだ。なのに!
「ルナー、ありがとう……楽しかったわ。私はルナの事死んでも忘れない。だから、少しだけ肩の上に座ってもいい?」
リバレスは尚も微笑みを絶やさずに私の事を見ていた。
「……あ……あぁ……お前の好きなだけ座ってるといいよ」
私がそう言うと、リバレスは嬉しそうに肩の上に座った。
「……わたしはここが一番好きなのー……でも、今度生まれ変わる時は……人間がいいな」
それを言い終えた時……彼女の目にはうっすら涙が滲んでいた。
「……リバレス!……さよならは無しだ……必ず……また会えるからな!」
私が指で彼女の頭を押そうとした時だった。指が彼女の頭をすり抜けたのだ!
「……うん……それじゃー……起こしてくれるのを待ってるから……おやすみなさい」
リバレスは穏やかな顔をしていた。眠っている赤子のような安らかな顔だった。
「おやすみ」
やがて……私の肩が軽くなったのを感じた時……それが遠い別れだと気付いた。
「うわぁぁ!」
私とシェルフィアは……しばらく悲しみに暮れていたが……やがて立ち上がった。
「シェルフィア、大切なものをたくさん失ったけど、私はずっと君を愛していくから。誰よりも幸せにならないと……皆に怒られるよ」
私はシェルフィアを優しく……そして強く包みこむ。周りはいつの間にか星が瞬く夜だった。
「はい、私もずっとあなただけを愛していきます。フィーネだった時からの夢……これから叶えていきましょうね!」