私達は……星空の中で夢中になってキスをした。ここには私達以外に誰もいない。でもここで、生涯一人で生きてきた父さんはきっと孤独だったんだろう。だから、愛の為に生きることが出来る私達を生んだ。私はそんな気がした。もし、私がここで死ぬまでシェルフィアと二人だったとしても孤独など感じないと言い切れるからだ。
「あっ……ルナさん、掌を開いて空を見上げてください」
シェルフィアが私に囁く……私は言われるままに空を見上げた……
「雪だな。もしかしたら……皆が降らせてくれたのかもしれない。帰ろうか……私達の故郷に!」
私はそう言ってシェルフィアを持ち上げた……まるで、ミルドの丘で再会した時のように……
「はいっ!……ルナさん、大好きです!」
シェルフィアが私に飛びついてくる。もう何も心配するような事はないんだ。
「私もシェルフィアが大好きだよ。……ずっと『永遠の心』に皆の事も刻んで……一緒に生きて行こう!」
リバレス、兄さん、そして、父さんのお陰で
今の私達はある。
皆が作ってくれた未来……大切にしなければ
ならない。
何があっても私達は決して負けない。
『永遠の心』が存在し続ける限り……
夢を持ち……それを信じて生きて行けば……
強い想いがあれば必ず叶う日が訪れる。
人に『心』がある限り……私達の物語は終わらない
−幻想小説ハートオブエタニティ−
−第一部 永遠の心−
著作−焔火 紅
−完−