膨大なエネルギーを消費する『光』をもう一つ放った!さっきの光は、闇海を押し返すため……そして、今放った光は凝縮して波を貫き……獄王を倒すためのものだ!
「キュイィィーン!」
光は波を貫いた!そして!
「グォォォ!」
そんな叫びが聞こえた瞬間……空間を埋め尽くしていた『光』と『闇』は消え去った。
「見事だ」
俺が最後に聞いた声……それは十字架から降りてきた獄王が、倒れ行く俺を支えながら言ったその言葉だった。
力を使い果たしたな……
〜新たなる時へ〜
「目覚めよ……ルナリートよ」
頭が痛い……あれからどうなったんだ?俺は恐る恐る目を開いた。
「ルナー!ようやく起きたー!」
元の姿に戻っているリバレスとフェアロット!?俺はすぐさま立ち上がろうとした。が。
「無理をするな……エファロード最終段階に達せずに、あれだけの力を発揮したのだ。我はもう戦う気はない」
ここは……宮殿の中だろうか?王の間だろう。フェアロットは玉座に座り、苦笑を浮かべている。
「くっ……フィーネは!?」
俺は何とか起き上がり、獄王にそう訊いた。俺は影を倒したのだろうか?
「ルナリートよ……お前は神としての力を受け継ぎながら……数奇な運命を背負ったものだな。シェドロットが行う『200年後の計画』があるというのに。何故、お前は『愛』を命題に生まれてきたのか?」
十字架を背に獄王は足を組みながら、俺に問いかけた。
「現在の神……シェドロットの意向、計画は俺にはわかりませんが……俺が『永遠の心』と愛を持つ事は真実です」
俺とハルメスさんは……『愛』をするように生まれてきた。俺がフィーネを愛するのも必然だったかもしれない。
しかし、この心……『永遠の心』は俺達が築いたもの……定められた事などではない。それが、俺の真理だ。
「やはり『計画』は知らぬか……エファロードの記憶は継承されるが、計画はお前達二人のエファロードが生まれてから決められた事。その事実をお前達が知るはずはない」
フェアロットは、計画について意味深な事をほのめかす……何を意味するというのか?