獄界に来て4日目……今まで、この恐れが実現しなかっただけマシだろう。そう……魔が現れた。数え切れない程の!
「(な……何て数なのー!)」
リバレスが驚くのも無理はない。空一面を覆い尽くす程の大群……数万はいるかもしれない!
「ここは、魔の世界……それは初めからわかっていただろ?リバレス、フィーネを連れて、生きて帰ろうな!」
俺は優しく指輪のリバレスを擦った。ここからが、真の戦い。戦いが終わるまでは、リバレスに優しくする事など出来ないからだ。
「(うん、わかったー!絶対に帰りましょーね!)」
その直後だった!魔の大群が、俺に向かって魔術を一斉放射したのは!
「これは『結界』程度では防げない!」
魔術の一つ一つの威力は弱くとも……その数は数万!俺は、咄嗟に究極神術を発動させた!
「『光膜』!」
結界の数千倍の強度を持つ光の膜、それで体の周り半径1mを包んだ!その直後!
「ドゴォォー……ン!」
魔術の全てが光膜に炸裂する!とてつもない衝撃だ!
連続魔術を受けて、周りは何も見えない!そんな猛攻撃が5分程も続いただろうか?急に敵の攻撃は止んだ。
「(キャァー!)」
視界が晴れていくと同時に、リバレスの叫びの正体を知る。何という事だ!
「魔術の猛攻の内に囲まれたな」
俺は呟く……俺達の周り、前後だけでなく上下も、全て魔だったのだ!
「エファロードを殺して、世界を我々の物にするのだぁぁ!」
そんな叫びと共に、大軍の総攻撃が始まった!
「ルナー!」
リバレスが叫ぶ!言いたい事はわかってる!
「俺は前に進む!死にたくない者は、道を空けろ!」
俺は、声を張り上げて魔に勧告した!それを聞くとは思えないが、こっちも本気だという事を知らせなければならない!俺は、体の周り数cmに光膜を圧縮させて剣を抜いた!これで、俺に対して普通の魔の攻撃は無効だ!
その後は修羅場だった!力は圧倒的にこちらが上だが、数が多過ぎる!さらに、人間界の魔よりも皆強い!
それでも俺は剣を振り、炎を操り、光で焦がし……漆黒の海の上で命を削りながら戦い、前へ前へと進んだのだ!