「どーするのよー!?陸はもうあんなに遠いわよー!」
あっという間に陸は小さくなっていた。
「漂流決定だな」
私は、甲板の手すりにもたれながらそう言った。
「何でそんなに冷静なのよー!?」
リバレスが、私の頭の周りを飛び回る。
「一応南西には向かっているようだし、食糧も一週間分くらいはある。まぁ、何とかなるだろ」
私はそう答えた。羅針盤で確認すると船は南西に向かっている。このまま行くと二日もあれば着くはずだ。
「そうですね。ルナさんがいれば大丈夫な気がします」
と、フィーネはさっきまでの慌てぶりを失い微笑んだ。
「二人とも呑気過ぎー!わたしはESGのお陰で大丈夫だけど、ルナは弱体化してるのよー!フィーネは普通の人間だしー……知らないわよー!どうなっても」
リバレスのその声も風の音でゆっくりと消えていった。船は静かに進んでいくのだった。