と、言った瞬間だった!
「馬鹿が!」
と魔は叫ぶと同時に、頭にある花のようなものから大量の毒霧を放出した!
「くっ!」
私は突然の出来事で目が眩んだ!
「死ね!」
魔から伸びる触手が私の脇腹に直撃する!
「保護!」
リバレスがそう叫び、私をフォローした。私を保護の神術が包み、ダメージはさほどのものではなかった。しかし、脇腹はズキズキ痛む。
「貴様に情けをかけた、私が馬鹿だったよ」
そう、言いながら私は全力疾走し剣を振り抜いた。
「グアッ!」
敵の四本ある触手の二本を切り落とした。油断せずに戦えば、倒せる!
「堕天使の分際で……これでもくらえ!」
その叫びと同時に辺りにある全ての植物が毒化した。そして、植物が私達を襲う!
「キャー!」
リバレスが、植物の蔦に絡め取られていた!
「どこまでも卑怯な……私を怒らせたな!」
私は、精神力を集中した。それは、ある神術を使うためだ。
「高等神術……『滅炎雨獄』!」
この神術は、天界で神官ハーツが使った『滅炎』の効果を広範囲に広げたものだ。
私の叫びと共に、フィーネとリバレス以外の全ての植物が灼熱の空間に包まれた!半径10m以内にあった植物は消失した。
同時に、魔も致命傷を負っている!この術は、九割の力が封じられて尚もこの威力……滅多に使うものじゃないな……
「……や……やめてくれ……許してください!」
しかし……この魔はこの術で死なないのか……ミルドの魔とは桁違いの強さだ……これ以上の敵が現れたら私に倒せるかどうか?
「貴様は言ってたな。約束を破るくらいなら死んだ方がマシなんだろう?本望じゃないか」
「ま……待って!」
私は、魔の首を切り飛ばした。おそらくこの魔の命乞いを聞いていたら、私達の命が危ない。
「転生したら、他人を騙さずに生きるんだな」
毒霧を吸って、体がクラクラしていたが、魔を倒した瞬間に全ての毒気が晴れていった。
森を覆っていた陰湿な空気も晴れていき、明るさを取り戻していくのが目に見えてわかった。
「これで、フィーネの毒も街の毒も消えるわねー!」
さっきまで、植物に捕まっていたリバレスも元気そうで何よりだ。
「う……うぅん」
そこで、魔に騙されて瀕死に陥ったフィーネも目を覚ました。しかし、心配の言葉よりも先に言いたい事があった。