でも、フィーネを助け出すまでは、もう泣きはしないよ……そう誓った。
少しの間、寂しいかもしれないけど、信じて待っていてくれ……すぐに行くよ……
君の魂を助け出して……俺も無事だったら……今度こそ、永遠の幸せを掴むんだ。
いや……絶対にそうしてみせる!永遠の心……お互いが信じている限り負けはしない!
俺達は、悲しみの満ちた島を離れ……新たな旅の決意を固めた。
日はすっかり暮れて、雪の降りしきるフィグリルの街を歩いた。街灯に照らされた雪が物悲しい……
こんな景色を……再び君と歩く為に……俺は戦うんだ!
俺とリバレスは、無言で神殿への道を歩いていった。リバレスは、指輪の姿に変化しているが……
「……ルナ!フィーネさんは!?」
神殿に着き、赤い絨毯の上で体の雪を掃っていると、ハルメスさんが全速力で駆け寄ってきた。
「……フィーネは」
俺は、事情を説明しようとしたが言葉に詰まってしまった。喉から声が出てこない。
「……お前のその髪……そして、その目……その力……それでも救えなかったのか」
ハルメスさんは、全てを察したかのように俯いた。沈黙の時が流れる。
「……お前も……エファロードだったんだな」
ハルメスさんがポツリと呟いた。お前も?
「……ハルメスさんはエファロードを知っているんですか!?まさか、ハルメスさんも!?」
俺は驚いて、思わず叫んだ。
「……いや、俺はエファロードの責務を捨てた男だ。それにしても……お前は本当に、俺にそっくりだよ」
彼は遠い目をして語った。意味が深すぎて理解出来ない。一体何を言いたいのだろう?
「……エファロードとは……何を指す名前なんですか?」
俺は単刀直入にそう訊く。俺は自分が何者なのか知りたかったからだ。
「……いずれわかる。力の覚醒の第四段階に達したならな……それよりも、お前が今からすべき事があるんじゃないのか?」
遠い目をしていたハルメスさんは、急に力強い目をして俺を見据えた。そうだ、今は思案を巡らせている場合じゃない。
「……俺達は……『獄界』に行きます。フィーネの魂を救いに!」