失われる。
「……おやすみなさい……ルナさん、大好き」
それが……愛するフィーネから零れた。最後の言葉だった。
「フィーネー!」
俺は、声が枯れるまで泣き叫んだ!
冷たくなって動かないフィーネの体を抱き締めて!
永遠を誓っても……目の前にある別れの痛みは心を抉り……
耐えられない!
昨日まで温かかった心には……
吹雪が吹き荒れている!
この痛みをどうすればいいんだ!
魂を探す……その前にあるこの心の痛みを!
俺は、俺は!
俺は、目の前が真っ暗になった。息の仕方も忘れて
しまいそうだった。
声はとっくに枯れ果てて……涙まで出なくなってしまった。
頭の中は混沌に満ちていた。今は何も考えられない。
唯……命を失ってなお……フィーネの顔には
微笑みが浮かんでいた。