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二度と抱き締められない!

俺が愛する『フィーネ』という人間は消えてしまうんだ!

転生しても違う人間になる!

 

「……フィーネ!君は……俺に……本当の『心』をくれたんだ!『心』は温かくて……包み込んでくれる。『心』は溢れ出して……優しさとか……強さとか……大好きな気持ちに変わるんだ!フィーネが俺を愛してくれているように……俺も君を誰より愛してるよ……『心』から……そして君は……『永遠』を信じてくれているから……俺は、『永遠の心』を信じる!……俺の『心』も……フィーネの『心』も……『永遠』なんだ。信じる心も……愛する心も!……何度死んだって……何度生まれ変わったって失いはしない。『永遠の心』を持って、何処にいても必ず迎えに行くよ……だから……安心しておやすみ」

 

 俺は、必死の思いで笑顔を作って……フィーネの冷たい唇にキスをした。もうほとんど……息が無い!

 苦しかった。不安だった。魂を見つけるのも困難……さらに……転生して『心』を失わないのは奇跡を超えた奇跡だ……

 心が張り裂けそうに痛い……フィーネを不安にさせない為に……
俺は気が狂いそうな悲しみを堪えてそう言ったんだ。

 でも、この約束さえあれば……乗り越えられる。死による別れの痛みも!

 

「……『永遠の心』……信じます。あなたと過ごした日々も……愛する心も全部『永遠』に……忘れません。でも、寂しいから……早く迎えに来てくださいね……もし……私が『心』を失いそうになっていたら……『約束の場所』へ連れて行って……下さい……行きたかった。あの場所へ……そろ……そろ……時間……みたい……ですね。光も音も……消え……て」

 

     フィーネを流れる時が……止まろうとしていた。

  我慢していた涙が再び堰を切ったように流れ出す!

今のままの……フィーネの声を聞けるのは……

これで最後なんだ。

   栗色の長い髪も……強さを秘めた優しく純粋な目も……

       そして……私に見せてくれた可愛い顔も……

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