【第十五節 一筋の光】

 

 一体……幾時間……いや、幾日過ぎた事か……
唯ここにあるのは、意識の混沌……

 そして、目覚める事のない愛する人……

 何も出来ない。俺は、ここから動くことも出来ずにいた。

 

 だが、時間の感覚も消えてしまいそうな中で声が聞こえて
きた。

「……ルナー!」

 聞き覚えのある声……その声が、意識の外側から響く……

「……ルナー!しっかりしてよー!」

「バシッ!」

 その声と共に、俺は頬を叩かれた。すると、意識が少し戻った。

「……リバレスか?」

 俺は、ゆっくりとリバレスの方を向いた。

「……ルナー!悲しいのはすごくよくわかるけど、いつまでも、ここにいたって始まらないわよー!」

 リバレスも泣いていたのだろう。瞼が腫れていた。

「……そう……だな。一体あれからどれぐらい時が流れたんだ?」

 俺は泣き叫んで枯れた声でそう訊いた。

「……あれから3日よー!」

 リバレスにそう言われて、俺は少し驚いた。そうか、3日か……フィーネが死んでしまって……

「……フィーネ!」

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