「私は、『氷結』の神術を使えるわよ!」
ジュディアも使えるんだ。名前からして、氷の神術だろうな。
「ふふん、僕は『衝撃』と『焦熱』の神術を使えますよ!」
ノレッジは、嬉しそうに笑みを浮かべながらそう言った。
その後、術比べが始まった。セルファスの『落雷』は、魔の像から外れて地面を削った。でも、地面が20cmぐらい抉れてたよ。ノレッジの『衝撃』は像に命中したけど、「コーンッ」ていう軽い音がしただけだった。『焦熱』は、空中に5cmぐらいの火の玉が出てきてびっくりしたなぁ……その後の、ジュディアの『氷結』。これは凄かったよ!流石にお母さんが『神術を司る間』の司官なだけあって、その術は芸術的なぐらい完璧だった。何せ、高さ2mもある像の全体に同じ厚さの氷を張ったんだ!台座には、1mmの氷も張らずに!これには、みんな呆然と見とれるしか無かったよ。きっと、ジュディアは将来天界で一番の『氷使い』になるんじゃないかな?
その後、僕の番がやってきた。生まれて初めて使う神術……大丈夫かな?僕は、頭の中に炎を浮かべてみる。すると、何だか不思議な感覚に襲われたんだ!頭の中の炎は、初めは蝋燭の火ぐらいの大きさだったんだけど、目の前まで真っ赤になるくらいの凄い炎になった。その後に、像にぶつけるイメージを作ると、勝手に術式が浮かんできたんだ。『deadly flame』その式が浮かんだ瞬間だった!
「ゴォォ!」
直径2mぐらいの火の渦が、魔の像に直撃したんだ!
「ルナ!それは、高等神術の『滅炎』よ!」
その後は、みんなびっくりして黙ってた。何で僕は、いつもこうなんだろう。普通の天使に生まれたかったな……そう思って僕が涙を浮かべてると、ジュディアが叫んだ。
「もう!ちょっとルナが凄かったからって!私だって、もう少し大人になったら高等神術ぐらい使うんだから!」
僕の事を思ってかな?それとも、神術で僕に負けたのが悔しかったのかな?どっちかわからないけど、ありがとう。
「そうですよね!僕だって、大人になったら神術を極めますよ!」
その言葉にノレッジが便乗した。すると、ジュディアは不敵な笑みを浮かべたんだ。
「私は、ルナにもノレッジにもセルファスにも負けないもん!……それはそうとセルファス、何か別の遊びは無いの?」
ジュディアが再びセルファスに訊いた。ジュディアに目を見つめられたセルファスは何だか顔が赤い。