そして、夜になってベッドに入って、リバレスが眠りに就いたのを確認してから……突然フィーネが私に話しかけた。
「……ルナさん、一体何があったんですか?朝から様子が変ですよ」
私の右に寝ていたフィーネが、私の方を向いて訊いてくる。暗がりではっきりわからないが、心配している顔だ……
「……鋭いな……私の様子はそんなにおかしかったか?」
私もフィーネの方を向いた。お互いの吐息が届く距離だ……
「はい、ずっと考え事をしてるみたいで……心配なんです」
そう言われると嘘はつけないな……でも、曖昧な推測でフィーネを不安にさせるのはもっと可哀想だ……
「……ただ、目に見えない敵が恐ろしかっただけだよ。でも、私は何があってもフィーネを守るから!」
我ながら、余計に不安感を与えそうな返事だったに違いない。しかし、こう言うしかなかった!
「……目に見えない敵……ですか?リウォルの海辺で感じた……恐ろしい空気の事ですよね?」
何と、フィーネはあの時に気付いていたのだ!私は驚いて目を見開いてしまった!……もう隠せない。
「……ああ、そうなんだ。でも、あれが誰であろうと、私はフィーネを守る!誰にも邪魔はさせない!」
私はそう言って、フィーネを抱き寄せた……今までの不安感を拭い去るように……
「……私は、ルナさんを愛してます。でも、あなたは何処か遠くに行ってしまいそうで」
フィーネは、そう呟くと啜り泣きを始めてしまった。私は、フィーネを強く抱き締める。
「私もフィーネを愛してる。私は命を懸けてでも、君を放さない。そして何処にも行かないよ。……約束する!」
私は優しく……そして強い口調でそう言った。何一つ偽りの無い真実の言葉だ……
「……はい」
私は、フィーネの涙を私の手で拭った。そうすると少し、不安が消えてきたみたいだ……
「……フィーネ、大好きだよ」
「……私もルナさんが大好きです」
それから、私達は優しく……激しく唇を寄せ合った。長く……長く……
そして私は、フィーネが安心して眠りの世界に入るまで……優しく抱き締めて頭を……そして背中を撫で続けた……