私は頭を抱えてその場に座り込んだ!
「何て事だ!人間が魔に脅かされているのは私達の所為じゃないか!?辛い世界に生まれて……苦しみながら生きて……悲しみの中で死んでいく!なのに……私達は平和な天界で、被害者である人間を蔑み……感謝することも無く生きてるじゃないか!?」
私は自分の存在が、人間達の犠牲の上にあると知り、情けない心で満たされた。
「人間って……可哀想な存在だったのねー」
リバレスが一筋の涙を流す……その表情から、深い悲しみが見える。
「私達は……私達の為だけに生まれて来る人間を顧みる事は無かった。愚かなのは私達天使の方じゃないか!?」
私は立ち上がった。そして、剣を抜いた。『決意』を『覚悟』にするために!しかし、その言葉を口にする前に上へ続く螺旋階段への扉にオリハルコンのプレートがあるのが見えた。私は無言で走り寄る。
『……この扉の先には禁じられし兵器がある。それは神の意思により……人間界の全てを焼き尽くす事が出来る』
『……この兵器で人間を全滅させて……新しく創ることによって……エネルギーの消費効率は上がる』
私はもう許せなかった!同じ金属であるオリハルコンの剣に力を込めた!
「パキンッ!」
プレートと扉……その両方を剣で両断した!
「ふざけるな!余りに身勝手過ぎる!一体私達に何の権利があるんだ!……俺達の為に人間は魔に虐殺されるんだぞ!なぜだ……もっと他に手段があっただろう!?かつての神よ!」
俺は言葉の途中で、感情が震えて限界を超えた!髪が……銀色に染まっていく。
フィーネ!君が悲しい目に遭ってきたのは……俺達の所為なんだ!
すまない。本当にすまない!
俺の目から涙が流れる。そして……『決意』を口にした!
「リバレス、俺は決めたんだ。俺は人間界にいる200年間……ずっと人間達を守る!せめてもの……償いの為に!」
俺は剣を前に突き出した。この時……俺の200年の指針は決まったのだ!
「……もうわたしは止めないわー。ルナの頭が銀色になる時って、何か強い思いがある時だけだもんねー……でも、わたしはずっとルナについて行くからよろしくねー!」
リバレスは物思いな表情から、笑顔に切り替えて俺の肩に乗ってきた。