『……限りなく続く神合成の果てに……神は天界だけでその膨大なエネルギーを処理することが出来なくなった』
『……神は苦心の果てに……天界の維持の代償として……中界に人間を創り……余剰エネルギーを消費することにした』
私は、そこまで読んで思わず叫んだ!
「人間を創ったのが……神の戯れだと!?何故……何故天界では嘘ばかり教えるんだ!?」
歯痒かった。人間は……天界の為に生まれたのだ!それを……私達は見下して……蔑んで!
「ドンッ!」
思わず記念碑を叩く!自分の考え……いや真実を知らなかった自分に怒りの気持ちすら沸いてきたからだ。
「人間って……天界の為に利用されてたのねー」
リバレスまで、俯き暗い表情をした。人間に申し訳ない。そう考えているんだろう。この上にも階は続いていそうだった。
「行こう……私達は全てを知らなければならない」
私は、『ある決意』を胸に更に上の階への階段を踏みしめて行った。
塔の6階。ここは、ただ真っ白な空間だった。まるで、全ての精神を止まらせるような無の空間だ。そこに、透明の水晶で出来た祭壇がある。
『……人間は天使と同じように魂を与えられる。魂というレベルにおいて両者に優劣はない』
『……ESGが……天使に強大な力を与えているに過ぎない。もし人間にESGを与えれば、拒絶反応と長い年月を経て天使となる』
新しい真実を知る度に心が揺り動かされる!私が人間と接して感じた事……天使と人間の心に大差は無いと感じ始めていた事……当然じゃないか!?魂……心は同じだったのだから!
私達は走った!さらに上で待つ真実を知るために!『決意』を強固にするために!
塔の7階……ここはまるで宇宙を模したかのような空間だった。近くに大きな惑星の模型……暗闇に浮かび上がる無数の煌き……そして、S.U.N。床も暗黒に染まり、まるで本当に宇宙を歩いているかのようだ……その中心に、私達の生きる星……『シェファ』を模した祭壇があった。
ここには、重要な真実が隠されている。そう確信して、記念碑に目を遣った。
『……人間は……唯、天界の維持の為に……エネルギー塊として排泄される存在に過ぎない』
『……人間界の存在意義……それは天界にとって無くてはならない。言わば《塵処理場》である』