「私が破壊?お前はもっと賢い奴だと思っていたけどねぇ……私の力程度でこの塔の封印を破れたと思うのかい?」
この女の力は……ルトネックの時の奴より若干劣るように感じる。確かにその力では神がつくった封印は破れないかもしれない。
「それでは、貴様では無くもっと強力な魔が塔の上層にいるということか!?そいつが兵器を使ったんだな!」
私は剣を抜いた。指揮官クラスで無くても、強力な力を持つ魔の女を睨みつける!
「ご名答!でも、お前はこの塔の秘密も知らないまま、私にここで殺されるから関係ないけどね!」
魔が力を解放した!一見普通の女に見えていた魔は体中が筋肉で膨らみ、牙と爪が伸び剥き出しになる!
「ルナ!相手は強いけど大丈夫なの!?」
敵の様子を見たリバレスが私の背中にしがみつく。今の魔は間違いなくルトネックの魔よりも強く知能も高い!
「あぁ、でも負けるわけにはいかないだろ!」
不思議と恐怖は無かった。私はフィーネに戻ると約束したんだ!負けられないんだ!……しかし、その時!
「お前がエファロードの力を使う前に殺してヤルゥゥ!」
恐ろしく低い声に変わった魔は猛スピードで突進してきた!エファロードが何かはわからないが油断すれば殺される!
「喰らえ!」
精神力を破壊力に変換する剣、オリハルコンの剣を全力で振り抜く!
「ガキンッ!」
剣を握る手が痺れる程の衝撃が走った!手応えが無い!
「効かぬワァァ!」
その瞬間!強靭な腕の一撃が私の腹部を捉える!
「ウァッ!」
腹から押し出される空気で出た音と共に、私は壁まで弾き飛ばされた!
「ボキッ!」
壁が背中に激突すると同時に、体内から嫌な音がした!骨の一、二本は折れただろう。
「死ネェェェ!」
私が飛ばされた所まで魔は一瞬で間を詰めて、私を蹴り上げた!
「ガハッ!」
声にもならない音と共に10mも上にある天井に飛ばされる!
「ドォォー……ン!」
轟音と共に天井に激突し、私は床に落ちた……骨折と激痛で体中が痺れる!
「うぅ」