ここで……ハルメスさんとの約束を打ち明けた。ルナとシェルフィアの表情が凍り付く……二人とも……優しい心の持ち主だから……
「リバレスさん!行かないで!」
シェルフィアの悲痛な声が心に響く……でも、ルナの言葉は!
「私が……あの椅子に座ればお前は救われるんだろ?」
「絶対にダメ!あれに座ったら、ルナはこの場所で一生一人ぼっち……そんな事はわたしが許さない!」
わたしは即座に『椅子』を炎で破壊する!ルナは本当に天界を維持する『椅子』に座ろうとしたから!
「リバレス、お前は……最高のパートナーなんだ。行くなよ!」
わたしだってそう思ってる!でも大好きだからこんな選択をしたのよー!ルナー、泣いてるのね……
わたしは……体から力が抜けていくのを感じた……多分……もうすぐわたしは消える。だから……
「ルナー、ありがとう……楽しかったわ。わたしはルナの事死んでも忘れない。だから、少しだけ肩の上に座ってもいい?」
愛するルナの……大好きな場所……わたしは最後に……そこに座りたかった。微笑みながらルナを見つめる。
「……あ……あぁ……お前の好きなだけ座ってるといいよ」
ルナがそう言ってくれたから……わたしはすぐに肩の上に座った。そう……最後の瞬間まで一緒にいたいから……
「……わたしはここが一番好きなのー……でも、今度生まれ変わる時は……人間がいいな」
本当よー……生まれ変わったら……ルナの事は覚えていないかもしれないけど、わたしも人間が好きになったから……
今まで幸せだった。幸せの基準は……皆違うけど、わたしは世界で一番幸せだったと思うわー。
だって……生まれてから死ぬまで……大好きなルナの傍で生きてこれたから……
だからありがとう……
そう思うと……わたしは笑ってサヨナラする筈だったのに……涙が滲み出してきた。決して悲しいわけじゃないのに……
「……リバレス!……さよならは無しだ……必ず……また会えるからな!」
ルナはそう言ってくれた。そっか……サヨナラじゃない。ここで消えてもまた会える。