その瞬間、『滅』と『滅』がぶつかりあう!何故フィアレスが禁断神術を使えるのか!?
「なぜ神術を!?」
ハルメスが神術に力を込めながらも叫ぶ!
「君の馬鹿な弟の贈り物さ!ほら、その程度なの!?」
そうだ……ルナリートが獄界に渡した『天使の指輪』……それが利用されているのだ!だが、それより!
「うぉぉ!」
フィアレスの『滅』の勢いにハルメスが押されている!ハルメスは限界まで力を注ぎこんだ!
「くっ……やるね……でも無駄だよ!」
急にフィアレスの『滅』の勢いが弱まる!一体!?
「ここだよ!」
フィアレスは『転送』を使い、ハルメスの真横まで移動していたのだ!
「ブシュッ!」
鋭い斬撃が……ハルメスの胴を両断する!?と思えた瞬間!
「転送も使えるみたいだな。ぐっ」
ハルメスも転送を使い、何とか剣が致命傷になる前に逃れていたのだ!
「シュゥゥー!」
脇腹を押さえ血を流すハルメスを余所に、行き場を失った『滅』が半径数十mを抉り取って消滅した!
「よく避けたね……絶対に死んだと思ったんだけどね」
フィアレスは余裕そうに笑みさえ浮かべる。ハルメスの傷は……深い……骨も数本切断されているだろう。
「……今まで生きてきて……お前のような強敵に会ったのは初めてだ。俺は獄界に行って無事に帰ってきたルナを誇りに思うぜ」
ハルメスは、自分がここで死ぬかもしれないと感じ始めていた。だが、彼には守るべきものがある。大切な弟……その恋人……そして……大好きな人間達……それを守る為には、今ここで死ぬわけにはいかない!
「ティファニィ……これが俺達の最後の戦いだ。行こう!」
ハルメスがそう言った瞬間……空間に光り輝く剣が現れた!
「へぇ……それでどうするつもりなの?」
フィアレスは余裕でハルメスのする事を見ている。いつでも殺せると思っているからだ。
「『神剣ハルメス』……俺の最愛の女性が変化した姿だ」
ハルメスはここで神剣を呼び出したのだ。神剣は魂が剣に変化したもの……ティファニィがハルメスの為に変化したのだ!