前ページ

「エファロードハ死ネェェェェェェエェェェェ!」

 剣や槍……斧や弓を持った大軍がハルメスに同時に襲いかかる!

「お前達には悪いが……ここは一歩も通さんぞ!」

 彼はそう叫んだ瞬間、究極神術『神光』を発動させた!辺りが強烈な閃光に包まれる!

「ギャァァアァァアァァ!」

 この場にいた魔は全て跡形もなく消え去った。だが!

「エファロードォォ!」

 魔の一群を消した直後に、更に別の大軍が現れる!

「くっ……それならば、お前達と俺の根競べだ!」

 ハルメスは叫んだ!そして、魔が現れては『神光』で撃退する。現れては撃退する。それをずっと繰り返した!

「はぁはぁ……一体どれだけいるんだ。これで56回目だぞ!」

 数千……いや数万は倒しただろう。ハルメスはエファロード……だが、流石に『光膜』と『神光』の連続使用で疲労が蓄積していた。

「ハッハッハ……貴様があのルナリートの兄か!」

 見知らぬ影……だが只者では無い!たった一人で現れたこの魔をハルメスは睨みつけた。

「何故、ルナの事を知っている?」

 ハルメスは剣先を向けながら問う。

「ワシは昔……奴に世話になったからな!ここに奴がいないのは残念だが……まずは貴様から死ぬがいい!」

 得体の知れぬ魔はそう叫ぶと、容赦無く禁断魔術を発動させた!

「まずは名前を名乗ってから挨拶じゃないのか?それは禁断魔術『死闇』だろう?」

 ハルメスは死闇が襲いかかるろうとしているのに対して、動揺すらしない。

「貴様、何故それを!?だが、もう逃れられん!闇の螺旋に飲まれるがいい!」

 魔は嘲笑いながら、死闇がハルメスを飲み込むのを眺めていた!

「やれやれ、俺はルナの兄だぜ!禁断神術『滅』!」

 死闇など塵に等しい程のエネルギー!直径数十mの『滅』が死闇を完全に消し去った!

「……生命力……不明!?待て!ワシを殺してはならない!」

 巨大な狼の体に金色の目……恐ろしいはずのその姿が明らかに恐怖に震えていた!

「お前は何者なんだ?」

 ハルメスはゆっくりと歩み寄る。この魔の力は、恐らく獄界でも相当なものだろう。だから正体を知る必要があった。だがその時!

 

次ページ