「僕を子供扱いするな!……まぁ僕には負けるけど、それだけの力を持ってる君の宝物。僕が貰っちゃおうかなー?」
フィアレスは、剣先を俺の目の前にちらつかせて挑発してくる。
「フィーネの魂を傷付けるなら……俺はお前を殺すぞ」
俺も剣をフィアレスの眼前に突き出した。
「こんなに力の差があるのに、どうやって僕を殺すのかなぁ?おもしろいね」
奴が油断した瞬間だった。俺は、全力を込めてフィアレスの腹部に蹴りを放つ!
「うぐっ!」
奴は宙を浮き、壁に向かって激突する。と思えたが!
「……ふぅ……今のは効いたよ。油断したらダメだね」
奴は、闇で翼を作り出しその力で衝突寸前に力を無効化させたのだ!
俺も光の翼を開く……空中戦で決着をつける!
「『滅炎雨獄』!」
俺はそう叫び、炎の雨を作り出す!しかし!
「『獄炎』!」
奴も炎を呼び出し、フロアは赤い炎と黒い炎で満たされる!逃げ道は何処にもない!
「行くぞ!」
俺は、全速力で滑空し剣に精神を集中させる!
「来い!」
俺達は、炎に焦がされながらも激しい攻防を続ける!炎のダメージを気にしていたら、剣が防げない!
「『神光』!」
「『死闇』!」
光と闇の破片が、フロアを埋め尽くす!この世界で、最高レベルの力と力がぶつかりあう!
「(なんて戦いなのー)」
リバレスが呟く……それはそうだ、普通の者には目で追う事すら出来ない速さと力!
「くっ!エファロード、やるじゃないか!生命力がまた上がってきているよ!」
楽しそうに、剣での戦闘中にフィアレスは叫ぶ!
「お前こそ!でも、俺はフィーネに約束したんだ!」
その言葉に乗せた剣での一撃が、防御するフィアレスの体ごと弾き飛ばした!勝機!
「禁断神術……『滅』!」
今までの『滅』の中で一番巨大な……半径15mぐらいの『虚無』の空間がフィアレスを襲う!
「僕は負けない!」
避けきれないはずの『滅』を眼前にし……フィアレスの姿は消えた!
「シュゥゥ」
『滅』は、壁を消し……床を消し……闇も光も飲み込んで消えていった。