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 その言葉の直後だった!フィアレスは一瞬で背後に回りこみ斬りかかって来る!

「クッ!」

 俺はその動きを何とか察知し、剣で弾き返した!

「キンッ!」

 剣がぶつかりあう音が聞こえる頃には、フィアレスはもう俺の正面に移動していた!何という速さ!

「へぇー!今のを防ぐなんて。普通の魔なら、あれで一撃なのにねー。じゃあ、本気で行くよ!」

 こっちも殺す気でいかなければ……確実に殺される!俺は、今ある力を戦いに全て集中させた!

「ガキンッ!」

「キンッ!キンッ!」

 そんな音が絶え間なく続く!

「これでどうだ!『獄闇』!」

 かつて、リウォルタワーのシェイドが用いた究極魔術!それの10倍以上のエネルギーだ!フロアの全てが、闇に染まる!

「『光膜』!」

 俺はその闇に対抗させるために、高濃度の光で体を覆う!

「ドォォーン!」

 闇は、光膜を打ち消す程の威力!俺は、光膜の維持に力を注いだ!

「(ルナー!危ない!)」

 異変に先に気付いたのはリバレス!

「ヒュッ!」

 闇と共に、フィアレスの剣が見えた!

「パァー……ン!」

「ズシャッ!」

 光膜が割れ……俺の胸を縦に裂く刃!俺はそれを必死で避けたが!

「ルナ!大丈夫ー!?」

 鮮血が流れ落ちた……致命傷ではないが傷は深い!

「はぁ……はぁ」

 俺はそれでも何とか立っている。

「エファロードってこの程度?僕を失望させないでくれよ!」

 その言葉と同時に、フィアレスは無数の斬撃を浴びせてくる!

「カキンッ!」

「ブシュッ!」

「ギンッ!」

「ズシャッ!」

 奴はいたぶるように、俺に傷を加え続けた!俺は致命傷になるのを防ぐので精一杯!

「うーん……僕は、愛ってよくわからないけどそんなに大事なの?」

 フィアレスは、余裕で腕組しながら可笑しそうにそう訊いてきた。

「当たり前だ……お前みたいな子供にはわからないさ」

 俺は、奴を睨み返してそう返事した!

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