【第三節 闇の血筋】
「ガシャン……ガシャン」
俺の意識が戻ったのは、そんな無機質な音が耳に響いてきたからだ。
「ここは?」
俺が思わず呟く。すると、そんな俺の様子を察知した魔が走り寄ってきた。
「ガハハハハハ!無様だな、ルナリートよ!エファロードでありながら、貴様は拷問の末に処刑される運命だ!」
ここは……牢獄か。壁も床も黒一色……無機質な音の正体は、牢の番兵が鉄格子を叩く音だったようだな。
「(リバレス、いるか?)」
気配のしないリバレスに俺は意識を転送する。指輪に変化していたはずだが……
「(無事よー……今は、ルナの内ポケットに隠れてるわー!)」
良かった、無事だったか。それにしても、あんな所で力尽きるなんて不覚だ……剣や荷物も取り上げられたようだ。
「(無事で良かった。それはそうと、ここは何処であれからどれぐらい経ったんだ?)」
意識を失ってからの事は何もわからない。俺は状況を把握するためにリバレスに問いかけた。
「(ルナが空から堕ちて、6時間ぐらい経ったわー。ここは、獄王の宮殿の地下牢よ。沢山の魔に囲まれてルナは殺されかけたんだけど、獄王の声が響いて、ルナはここまで運ばれてきたのー……それよりも、今のルナの髪は銀色だけど赤い目じゃないし、翼も無い)」