どんどん地下へと降りていく中で、一体どれ程の魔が現れた事か!数は数百体!だが、イレイザーのような力を持つものはいなかった。階段を何段おりても、フロアを走っても景色は変わらない。魔を倒しながら進むので思うように先へ進めない!
不眠不休で50時間程走っただろうか?ようやく、レリーフのある部屋まで下りてきた。早速、そのレリーフに目を通す。
『ここは……塔の2000階……天界の者は進んではならない。獄界は……危険な役割をもつ』
意味深な事が書いてあった。獄界の役割……危険?その意味はわからないが、俺は行かなければならないんだ!
「はぁ……はぁ……行くぞ……リバレス!」
休みもせず、魔と戦いながらの2日以上は辛かった。それでも、俺は足を引きずって前へ進む!
「ルナ!急ぐ気持ちはわかるけど、そろそろ休まないとダメよー!もう3日近く寝てないんだからー!」
リバレスが叫ぶ。確かに意識が朦朧とする。先へ進みたいが、もう動けなかった。
「でも、フィーネが!」
俺は、気力だけでそう叫ぶ。こうしている間にもフィーネの魂が壊されるかもしれないんだ!
「ダメ!そんな状態で強い魔に会ったら殺される!それじゃー意味ないでしょー!だから、このフロアの階段に結界を張って休みましょー!」
リバレスは、俺を気遣ってそう言った。そして、強引に階段に結界を張る。確かに、こうすれば低級魔なら通れないな……
「リバレス、すまない。3時間だけ寝るから起こしてくれよ」
俺は、そういい終わると同時に眠りに落ちた……疲労が限界だった。
フィーネ、もう少しで助けに行くから……少し休ませてくれ……
ごめんな……
〜譲れぬもの〜
「パリーンッ!」
俺が目覚めたのは、フロア中に響くその乾いた音の所為だった。
「うーん!?」
その音の正体……俺は、目覚めたリバレスよりもいち早く察知した!
「リバレス!早く、指輪に変化しろ!」
俺は寝ぼけ眼を擦るリバレスに叫ぶ!
「ゆっくり休むなんて出来ないみたいだな」
リバレスが指輪に姿を変えて、俺がそう呟いた時には俺は100体以上の魔に囲まれていた!結界が破壊されたのだ!