「貴様が知る必要の無いことだ。オレがここにいるのは、堕天使ルナリートを消すため……オレは獄界で指揮官クラスの力を持つ。オレは獄界から派遣されたのさ!そしてこの村で虐殺を繰り返せば、必ず貴様が現れると思って待っていた!死ぬがいい!」
その言葉の直後、魔に先程よりも遥かに強大なエネルギーが満ち溢れてきた!
「(まずい!リバレス!この力では私に勝ち目はない!)」
「(逃げましょー!フィーネも、逃げるわよー!)」
私達は、奴の隙をついて逃げることにした。足が震える!恐ろしい!
「冥土の土産にいい事を教えてやろう。魔は、生命全ての生命力を数値化して見ることが出来る。例えば、そこの人間の娘……お前は僅か『10』だ。そして、天翼獣……貴様は『3000』。ルナリート、貴様でさえ『5000』しか無い。ところが、獄界指揮官クラスの生命力は『30000』以上。オレに至っては、『65000』だぁぁ!」
生命力の数値化!?魔はそんな事が出来るのか?その数字が事実かどうかに関係なく今は逃げなければ!力の差は感覚でわかる!そう思った矢先、魔の指から三本の漆黒の矢が放たれた!矢は私達全員を狙っている!
「クッ!」
リバレスは上手く避けたが……私にはフィーネをかばって二本の矢が突き刺さった!
魔術で作り出されたその矢の威力は絶大で、私の肩と太腿を貫通していた!痛みに意識が朦朧とする。
「ルナ!」
「ルナさんっ!」
私を心配する二人の叫びがこだました!
「大丈夫だ……それより(私が隙を作るから逃げるんだ!)」
私は、二人に逃げるようにテレパシーを送る!
「高等神術『滅炎』!」
痛みを堪え精神力を振り絞って、魔に向けて私が使える最大の神術を放った!半径5mが超熱空間に包まれる!
「(今だ!逃げるぞ!)」
私はリバレスとフィーネに強いテレパシーを送った!
私達は同時に、村の外れの方に逃げていった!酷く足が重いのにも関わらず、全力で走った!しかし!
「恐れをなして戦闘回避かぁ!ハハハッ!天使のくせに無様だな!このオレから逃げられるわけがないだろう!?」
逃げた先に、すでに魔が立っていた!私の『滅炎』が直撃したにも関わらず、魔には火傷一つついていない。