「ははははっ!」
私は、余りにも素直で嘘がつけないフィーネの慌てる様子を見て思わず笑ってしまった。
「ルナさん、笑ってる所を初めて見ましたよ!」
私が笑うのはそんなに珍しいのか?そういえば、リバレスにも笑うのは珍しいって言われた事があるな……
「私だって、笑う時ぐらいあるんだ!……ところで、次はどこに向かうつもりなんだ?」
私は少し焦って、話題を無理やり変えた。
「は、はい。次は南にある『ルトネックの村』に行こうかと思っています。あの村も最近悪い噂が多いですから」
そう言うと、フィーネのさっきまでの笑顔は消えて急に悲しそうな顔に戻った。
「フィーネ、やっぱりその話は後にして朝食にしよう!」
私は場の空気が凍てつくのを感じたので、この話題はやめにして空気を明るくしようとした。
「たっだいまー!」
そこに、さっきから天使の姿に変化したままのリバレスが戻ってきた!
「あの馬鹿!」
私が、飛び出そうとした瞬間……
「あ!ごめんなさいー!」
リバレスは自分の失敗に気付いて、指輪に変化した。
「今のは?リバレスさんでしょう?リバレスさんが、変身したんじゃないんですか?」
時既に遅しで、流石にフィーネも気付いたようだった。
「そうだ。リバレスは、色んなものに変化できるんだ。でも、その理由は教えられない」
私は訊かれる前に説明した。しかし、フィーネの表情は笑顔のままだった。
「うらやましいな……私も変身出来たらいいのに」
とフィーネは、呟いた。全く驚かないのには私が驚いた。むしろ、私が笑う事に驚かれる方がショックだったのだが……
そんな風に、今日の朝食?いや昼食も楽しい時間が過ぎていった。