リバレスがそう思っているのが、俺に伝わった。今の俺にはそんな能力まであるのか!?
「……私は本気よ!絶対に行かせない!」
圧倒的な力の差に震えながらも、俺の心を引き戻したいのだろう。必死に食いついてくる。
「……愚かな……力の差も見抜けぬ下衆め……覚悟するがいい!」
それからはよく覚えていない。唯、ジュディアの放つ攻撃の神術は俺の皮膚にさえ届く事は無かった事は確かだ。
そして……
「エファロードのみが使える神術だ……『滅(ruin)』!」
俺はそう言い放った。すると、全てが滅びる直径3m程の虚無の空間が現れた。空間は、部屋を駆け巡り触れる物全てを飲み込む!
外壁、輝水晶……空気さえも残らない!呼び出された虚無はジュディアの翼と肩の一部も飲み込んだ!
「……クッ!……絶対に……後悔する事になるわよ!……どうせ200年後には!」
『滅』で大怪我を負ったジュディアは自分自身に『転送』を使い消え去った。
すると……制御出来なかった意識は俺の元へと戻ってきた!
「フィーネー!」
俺は、すぐにフィーネの元へと駆け寄った!
〜第四楽章『魂の離別』〜
「……ル……ナ……さん」
俺が大声で呼びかけると、弱々しい声でフィーネは答えた。良かった。まだ生きている!
「フィーネ!すぐ治してやるからな!」
俺は、何者も超越する力で『蘇生』の神術を使った。これで、致命傷からも蘇る!
「……ルナ、さん、ダメですよ」
どんな傷でも、治す事が出来る『蘇生』を使っても……フィーネの傷は塞がらなかった!俺は慌てて、フィーネの手を握り締めたが……冷たい……氷のように!
「フィーネ!フィーネ!お願いだ!……戻ってきてくれ!」
俺は、自分の精神力を限界まで酷使してフィーネの治癒に全力を尽くす!しかし……
「……もう……今の私には……多分……何も効果がないですよ。目の前が真っ暗で……感覚も消えそうで……唯……ルナさん、あなたの言葉だけが聞こえます」