「……別の世界に生まれた私達が、出会ってここにいます。それだけでも、奇跡なのに……ルナさんは、私を愛してくれたんです。無理なお願いばっかりした私を……たくさん思い出を作りましたね。それを思い返すと、とっても幸せです」
フィーネは空を見上げて、涙を流した。でも、これは幸せなだけで出る涙じゃないと私は直感した。
「……フィーネ、何か不安な事があるんなら言って欲しい。そうじゃないと、私が不安になるから」
私は真剣な眼差しでフィーネを見つめた。すると、空を見ていたフィーネが私に視線を移した。とても悲しい目……
「……やっぱりルナさんにはお見通しですね。何だか、ルナさんと一緒に生きられる時間って凄く短い気がしたんです。もし、ルナさんが私と100年間一緒にいてくれたとしても……それはルナさんにとっては、とても短い時……いつかは、私が思い出に変わってしまって……貴方は天界に帰って……私は思い出からも消えるんじゃないかって……今日のルナさん達の話を聞いていたら、私がちっぽけな存在に思えてきたんです。ルナさんは優しいから、ずっと一緒にいてくれるって約束してくれましたけど、でも、でも!」
その後、フィーネは言葉を話す事も出来なくなった。無数に零れ落ちる涙がそうさせたからだ。
「……フィーネ、心配しなくていいんだよ。もし、肉体が死んでしまったとしても『魂』は不滅なんだ。だから、二人で一生懸命生きて……どちらかの体が消えてしまったら、『魂』を探す旅に出ればいいんだ。空にある数多の星の中から、一つを選び出すくらい難しいけど、私は絶対に見つけ出せる。その時、きっとフィーネは寂しそうに私を待ってくれているはずだから……何度でも、何度でも私はフィーネを見つけるよ……それで、生まれ変わってもずっと一緒に生きるんだ。『永遠』に」
私は、フィーネの震える頭を抱き寄せて、優しく撫でながらそう言った。この言葉は私の真実だ……それから、少しの時が流れる。
「……グスン……ふふ……わかりました。それなら、私も……絶対にルナさんを見つけます。ルナさんは、いつまでも私を優しい目で待ってくれているはずだから……でも、魂が離れ離れになった時に集まる場所を決めた方がいいですね」
ようやく不安が晴れたようで、フィーネは冷たい手で涙を拭った。今日は本当に寒いな……