「(なぜここまでする必要があるんだ?見せしめの為だろうが、なぜこんな惨い刑を平然と行えるのか!?)」
私は行き場の無い激しい怒りを膨張させながらも、何も出来ない自分の無力さに苛まれていた。
一息おいてハーツが声高らかに叫んだ。
「善良なる天使の皆様!罪人は葬られ、私達には再び安息がやってきました!神への賛美の歌を歌いましょう!」
その掛け声と同時に、聖歌隊が歌い始めた。澄んだ声の裏側に、ハーツへの恐怖が私には感じられる。私も仕方無く歌う事にした。
「神を称えよ 神を崇めよ 我らが絶対なる神を
神は光 神は全てを創られた
我々には神を除いて何も必要ない
全てを捨てて神に従え」
誰か……誰か止めてくれ……
無駄な言葉だけの繰り返し……もう耐えられない。
だがこの世界にいる限り逃れられはしない。
永遠に……