虹の輝水晶……

 人間界で現存するのは、あの場所だけだ。

 輝水晶の遺跡、最深部……。フィーネが胸を貫かれ、兄さんが命を捧げた場所。

「存在する場所は知ってる。私一人で行くから、シェルフィアはここで待っていてくれ」

 私が真剣な眼差しで三人を見つめると、場の空気が凍て付いた。

「大丈夫、心配しないで。私も行く」

 覚悟を湛えた瞳でシェルフィアは言う。こうなったら仕方無い。二人で行くしかないだろう。

「一体何処へ?」

 レンダーが申し訳なさそうに訊いた。

「……悲しみの聖地へ」

 私はそれだけ告げると、シェルフィアと共に『転送』で遺跡に向かった。

 

 

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