§ストーリー§

 

 物語は、シェファという星で始まる。

 シェファは、『天界』、『人間界』、『獄界』の3界に分かれており、それぞれに『天使』、『人間』、『魔』が生きている。

『人間界』は元々『中界』と呼ばれ、『天界』と『獄界』との間に置かれた不可侵の緩衝帯だった。

 だが、数百万年前に天界の統治者である『神』が中界に人間を創った。その事により、天界と獄界の関係は悪化し……人間は常に獄界から遣わされる魔の脅威に晒される事となる。

 

 主人公の名はルナリート。天界で生活する天使である。年齢は1826歳。天使学校に通い始めて826年だ。

 外見的な特徴として、殆ど全ての天使は生まれつき金の髪であるのに対して、彼の髪は深い赤色を呈している。

 そして、学業や武術等、何に於いても他の天使とは一線を画する。皆がルナリートの能力を羨んだが、彼は孤独だった。ずっと特別視されて生きてきたからだ。

 そんな彼の一番の救いは、200年前から生活を共にしている天翼獣のリバレスだ。天使の寿命は約10000年あるので、200年前といってもそれほど前ではない。

 天翼獣とは天界でのみ生まれる生物で、言葉を話し様々なものに変化する事が出来て、人懐っこい性格をしている。一見すると妖精のような天翼獣のリバレスが、ルナリートの第一理解者であり家族だ。

 そして、幼い頃からの友人がいる。最初に出来た友達で、ルナリートの事を思い続けるジュディア。自信過剰気味で、場の雰囲気を盛り上げるセルファス。知識が豊富で、学業だけはルナリートに対抗意識を燃やすノレッジ。

 そんな仲間に囲まれてルナリートの孤独は紛れ、ある程度楽しいと言える毎日を送っていた。たった一つの事を除いては……

 ルナリートにとって、生きる上で最も苦しい事は『孤独』ではない。『自由』を剥奪される事だ。天界ではこう教える。「無心に神を信じ、皆の思想を一つにして、そこから少しでも逸れる者は厳しい規律の下で罰せられねばならない」と。

 具体的には教科書、学校で教わる事以外の思想を公で述べれば『死刑』という厳罰が下る程だ。

 

 ルナリートは、そんな世界を変える為に戦う事になる。

 

 その後、様々な経緯でルナリートとリバレスは人間界に堕ちる。そこで最初に出会ったのが、フィーネという少女だった。彼女は、魔に虐げられる苦しい世界で懸命に生きている、強い心と慈愛の精神の持ち主である。

 ルナリートは、フィーネの強い心に共感を覚え……段々と彼女に惹かれていく。そして、彼女の為に魔と戦う決意さえ抱くようになる。

 二人の心は通じ合い、共に生きるという願いが満たされた。『永遠の心』という願いが……

 

 だが、それは全ての始まりでしか無かった。悲劇という運命の……

 

 しかし、ルナリートは『永遠の心』を信じている。自分の命すら顧ず、幸せと愛……そして自由な未来を取り戻す為に戦えるのだ。

 

思いの果てに待つ未来の姿は、一体どんな形をしているのだろうか?

 
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