途中休憩を挟み、リバレスも回復し……出発して丁度2日、48時間が経過した頃……塔の屋上への階段が見えた。

 屋上には、天界内部への転送装置があるが……その前に立ち塞がる影……それは!

「ジュディア!」

 その姿を見た瞬間、私は自分の中で怒りが爆発するのを感じた!セルファスと約束したが……私は自分を制御出来ないかも知れない!

「ここに来たって事は……セルファスもノレッジもやられたのね」

 ジュディアは悪びれた様子も無く溜息をつく……

「貴様!」

 私は我を忘れて剣を抜いていた!

「……その娘……私が獄界に送ったのに戻って来たのね。ルナ、あなたはエファロードであるというのに、人間なんかに恋をして……獄界を荒らしまわった挙句、今度は天界を壊すつもり?愚かだと気付かないの?」

 ジュディアは呆れたような顔で私の目を見る。

「……セルファスに頼まれてたが……よほど死にたいらしいな!?」

 私は走り出そうとする!……しかし!

「ルナさん、あの人は私に任せてください。今のあなたが戦えば……悲しみしか残りませんよ」

 シェルフィアが私を制止したのだ!

「何故だ!?あいつは君を殺した上に……獄界に送ったんだぞ!許せるはずがないじゃないか!?」

 私はシェルフィアを振りほどこうとしたが、リバレスまで加わって私を止める!

「ルナ!ちゃんと、シェルフィアの言う事を聞いてあげて!」

 私は二人に止められて、渋々剣をおさめた。まぁいい、シェルフィアに危機が及べば一瞬でジュディアを消せばいいのだから……

「へぇ……人間の娘如きが私に何の用かしら?」

 シェルフィアがジュディアに歩み寄り、ジュディアは見下したようにせせら笑った。

「あなたは可哀想な人。ルナさんを思うばかりに、私を殺してまで取り戻そうとした。でも、私はその気持ちがわかる。私だって、ルナさんが誰かに奪われたら絶対に許さないから」

 その瞬間、ジュディアの表情が凍りつき……怒りの色が滲み出た!

「お前なんかに何がわかるっていうの!?私の気持ちがわかる!?人間如きに愛する人が奪われた私の気持ちが!?」

 ジュディアの体からエネルギーが迸る!ここは、塔の最上階……雲の上だというのに、エネルギーの雲が屋上を覆う!

「あなたはそうやって、外見の美しさや神術の力を示す事しか出来ない!大切なのは『心』なのに!」

 シェルフィアはそう叫び、彼女もまた力を解放した。ジュディアに負けない強力な力だ!

 

 

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