〜醒めぬ夢〜

「ルナさん、ルナさん」

 何も見えない暗い闇……その中で、私は懐かしい声を聞いた。

「誰だ?」

 私は動くことも出来ず、闇に向かって問いかけた。

「……フィーネですよ。私は生まれ変わったんです!」

 紛れも無い。フィーネの声!涙が止め処なく溢れる。もう聞けないと思っていたのに!

「フィーネ!会いたかった!会いたくて会いたくて……でも、私は動けないんだ!こっちへ来てくれ!」

 私は涙で何も見えないままに叫んだ!すると……愛するフィーネの姿が闇に浮かび上がる!

「私も会いたかったですよ。ずっと……でも、これ以上傍には行けません」

 フィーネが悲しそうに俯く……もっと近付きたいのに!

「何故だ……何故なんだ!?」

 私は訳がわからずに声を張り上げる。すると……

「フフ……相変わらず馬鹿ね」

 フィーネの前にジュディアが立ちはだかったのだ!

「ジュディア……貴様!そこをどかないなら、今ここで息の根を止めてやる!」

 私は、『力』を発動させようとするが……全く体が動かず、力も入らない!

「獄界に堕とすだけじゃ甘かったみたいね……魂を砕かれるがいいわ!」

 闇の空間が消える程の光がフィーネの上に集まる。『魂砕断』!

「やめろぉぉ!」

 私は喉が潰れる程の声で叫ぶ!

 

「キャァァ!」

 

 フィーネが……愛するフィーネが一度ならず二度までも!

 

 

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