ルナリート達も、城で夜が更けるまで話し込んだ。暖炉を囲み、幸せな昔話に花が咲いたからだ。勿論、こんな夜に厳しい現実の話が相応しくないのは、自明の理である。
シェルフィアとリルフィはこの日、ルナリートに甘えたくて仕方が無かったが、三人共ベッドに入った瞬間眠ってしまう。幸せと安堵と少しばかりの疲労、それらが重なった為だ。
もしルナリート達が勝利を収めれば、この日は『再臨祭』として永遠に祝われる事となるだろう。絶望の中にも必ず希望がある事を、人々は決して忘れない。
何者も、『想い』を砕く事は出来ないのだ。時も死も、絶望さえも。