『また』?
彼女は……やはり。
「お母さんは頑張ってるわ。私の前では涙は見せないようにしてる。だから、わたしも泣かない。直ぐにまた会えるもんね」
リルフィは私が一人で泣いているのを知ってる。彼女は昔から人を理解して、何も言わず優しく見守る子だった。思わず目頭が熱くなる。
「次に会う時はきっと……存在シェ・ファとの最後の戦いになる。お母さんも、それには薄々気付いてるのよ」
そんな事は口に出した事が無いのに、何て子だ。
「だから、今度は一緒に戦おうね。わたしもお母さんも、お父さん一人が苦しむのを許さないから」
私は目を閉じ、黙って頷いた。祈るように掌を組みながら。
「わたし達はずう〜っと一緒。生きても、死んでも、近くても、遠く離れても」
冷たく澄んだ空気を伝って聴こえてくるリルフィの言葉。何もかもを受け入れ、疑い無く永遠を信じている。
私は一人になるとどうしても弱気になってしまうのに、彼女は一人でも……
貴方は昔からそうだった。
溢れ出る涙が止まらない。私は彼女が去った後も、長い間動く事が出来なかった。