そんな事を考えていると、私の頬を一筋の涙が伝った。今日は……もう寝よう。明日は、17歳の2日目だ。
私は、この日眠る前にふと窓から見えた夜空の光を忘れない。まるで、全ての悲しみを洗い流し……穏やかに微笑んでいるかのように見えたからだ。もうすぐしたら……雪が降り始めるかな?
〜5日後〜
「ビュオォォ」
今日は、朝から嵐が吹き荒び窓もドアも激しい音を鳴らしていた。ミルド村は、海岸沿いの村なので嵐が起きた時の勢いは強い。
「お父さん、今日は嵐なのに鉱山に行くの!?」
私はお父さんの裾を引っ張った。今日の嵐は例年に無く強いので心配だったからだ。
「あぁ、この前別の鉱山が魔物にやられたからな……鉱石が足りないんだ。急いで採掘して出荷しないとダメなんだよ。今日はちゃんと早く帰ってくるから心配するんじゃないぞ」
そう言ってお父さんは私の頭を撫でて家を出て行った。そう……この日はあの『運命の日』。
この日の夜、私はいつも通り晩御飯の準備をしてお父さんの帰りを待っていた。窓際の椅子に座って、ボーっと外を眺めながら……
「お父さん、本当に帰りが遅いなぁ」
私は一人呟いた。暖炉の火が揺ら揺らと私を照らし……その動きが何とも寂しく見えて、心配な気持ちが増幅していくのを感じた。
「……心配だなぁ、お父さん大丈夫かな!?」
その時だった!
「……ドーン!」
落雷だ!私は窓から微かに見えるミルドの丘からの閃光と轟音で目を閉じた!
そして……私はその後『丘』に向かうの。
ルナさんと初めて会ったミルドの丘に……
『永遠の約束』の場所に……
§番外編§
【フィーネの心】
- 完 -