「シェルフィア!」
私とリバレスが同時に叫んだ!その瞬間、『神光』の光で何も見えなくなる!しかも、シェルフィアは動けなくなるかもしれないのに!
「これが、神術とは逆の属性を持つ魔術。究極魔術『暗幕』」
シェルフィアは無傷……その上に、暗黒のカーテンで全ての神術を遮る!
「そんな……私が人間如きに」
ジュディアは、持てる最高の力を使ったのだろう。その場に座り込んだ。私から受けた傷も生々しく見えて、とても小さな存在に思えた。
「人間も天使も……魔物だって、魂の価値は変わらない。唯あなたがそれを受け入れようとしないだけ」
シェルフィアは、『暗幕』を解きジュディアにゆっくりと近付いた。一体何をする気だ?
「私は死んでもお前の言う事なんて聞かない!殺すがいいわ!」
ジュディアは座り込みながらもシェルフィアを睨みつけそう叫んだ!
「それじゃあ、一度死んでみるのもいいかもしれないわね」
シェルフィアが確かにそう言った!一体何を考えてる!?
「(シェルフィア!……やめるんだ!君がそいつを殺したって何にもなりはしない!)」
私が意識を転送する!返事が返ってくるはずは無いが、それでも聞こえるはずだ!
「(ルナさん、大丈夫ですよ。殺しなんてしません。唯、この人を心の闇から救うだけです。)」
シェルフィアが意識を転送しかえしてきた。私は、シェルフィアの力に言葉もない。
「確か……『不動』と、『堕獄』よね。私を獄界に送ったのは」
シェルフィアはそう言うと、一瞬でジュディアに『不動』をかけて動きを完全に静止させる。
「な……何するの!?嫌!私は死にたくない!セルファスー!」
ジュディアが見動き一つ出来ずに泣き叫ぶ!
「……禁断神術……『堕獄』!」
シェルフィアがそう叫ぶと、本当に空間に漆黒の剣が現れた!これは本物!?
「キャァァー!」
漆黒の剣がジュディアの体に突き刺さる!と思った瞬間……剣は眩い光と共に消失した。一体?
「……少しはわかってくれた?どれ程恐ろしい事か?死ぬ前に、愛する人の顔が浮かぶでしょう?」
シェルフィアはそう言うと、ジュディアに手を差し伸べた。何もかも包みこむような優しい笑顔と共に……