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 色んな事がありました。行く街で祝宴をやってもらったり、私の作った『辛いトースト』を美味しいって食べてくれたりもしましたね。

 ルナさん、ずっとあなたと一緒に過ごして……私の心はどんどん温かくなっていったんです。

 そして、あなたを助けたい一心で飛び込んだリウォルタワー……私は剣で胸を貫かれて、やっと正直な気持ちを言えたんです。

 

「ルナさん、あなたが大好きです」

 

 そうだ……私は今でもルナさんが大好きなんだ。シェルフィアとしての私がルナさんに、恋しようとしたのも偶然なんかじゃない。

 私は、フィーネであり、シェルフィア。でも、まだ完全に一つにはなれない。

 今まで生きてきたシェルフィアが、フィーネとしての心を受け入れる事をまだすこし拒んでいるから……

 今までの自分が無くなりそうで恐い……

 でも!拒んでも、昔の記憶と心がどんどん蘇ってくる!

 ルナさんと過ごした日々が……そして、『約束』が!

 

「私もフィーネを愛してる」

 

 ルナさんがそう言ってくれた時、私は人生で一番幸せだった!大好きなあなたと心を通じ合わせる事が出来たから!でも、人間の私と天使のあなたの一生の長さは違う……それで私が困らせると、あなたは優しい約束をしてくれました。

 

「……フィーネ、心配しなくていいんだよ。もし、肉体が死んでしまったとしても『魂』は不滅なんだ。だから、二人で一生懸命生きて……どちらかの体が消えてしまったら、『魂』を探す旅に出ればいいんだ。空にある数多の星の中から、一つを選び出すくらい難しいけど、私は絶対に見つけ出せる。その時、きっとフィーネは寂しそうに私を待ってくれているはずだから……何度でも、何度でも私はフィーネを見つけるよ……それで、生まれ変わってもずっと一緒に生きるんだ。『永遠』に」

 

 ルナさんは、私を抱き締めて頭を撫でてくれながらそう言いました。

 

「……グスン……ふふ……わかりました。それなら、私も……絶対にルナさんを見つけます。ルナさんは、いつまでも私を優しい目で待ってくれているはずだから……でも、魂が離れ離れになった時に集まる場所を決めた方がいいですね」

 

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