俺の光刃を逃れた魔の女は、一瞬の内にシェイドの中に溶けていった。その瞬間!
「さぁ……始めようか!エファロードよ!」
シェイドの力が膨れ上がった!塔の全体が振動する!
「ルナ!何なの!?このエネルギーは!?」
俺が生きてきた中で……これ程までに凄まじい力を感じたことはない!殺される。俺は息もまともに出来なくなった。
「エファロードよ……我は獄王直属部隊の司令官である!生命力にして、2600000!お前を殺す為に、獄王様直々の命を受けここに現れたのだ!お前がまだ第一段階までしか発現させられない事はわかっている!生命力200000如きで足掻くがいい!」
シェイドが話した直後!塔の屋上に結界が張られた!これで、逃げる事も隠れることも出来ない!
「俺が……エファロードなのかなんてどうでもいい!俺は、俺は人間の為に戦う事を決めたんだ!邪魔するな!」
俺は、震える体に鞭を打って剣にありったけの精神力を込めてシェイドに切りかかった!
「ズシャッ!」
軽い音と共に、シェイドの突起物が一つ弾け飛んだ。俺は心臓を狙ったのだが見当違いの所にしか当たらない!
「その程度の速さで、我を捉えられると思うのが間違いだ!」
シェイドの姿が消えた!いや……目で追えない!
「(リバレス、階段を伝って逃げろ!)」
この場にいたら確実にリバレスは死ぬ!俺は必死でリバレスにテレパシーを送った!
「まずは……天翼獣から死ぬがいい!」
案の定……リバレスが狙われた!俺は全力で地を蹴り、シェイドの前に立ち塞がる!
「他人を気遣うその甘さが命取りだ!」
奴は俺がリバレスを庇う事を予測して……そうか……あの女が言ったんだな。
「ブシュッッ!」
何だ?理解する前に腹の辺りで鈍い痛みの感覚が広がった。
「これで天界も攻撃しやすいわけだ!グハハハハハ!」
天界?攻撃?そんな事はどうでもいい……腹部がシェイドの鋭い腕で抉られた。俺は、死ぬ……
腹部から大量の血が流れ……口からも大量に血を吐いた。
「ルナをよくもー!」